トップ > 伝承される記憶
怖い話
怖い話
- 1
小原徳治のこと
『明治物語』より
東和 小原源三
徳治というのは私の祖父のことであるが、祖父は私がまだ生れない前に他界しているので、勿論、その顔貌もわからない。随ってこれは子供のころ父や祖母から聞いたおりおりの話に出て来たことをかすかな記憶を辿りながら書いてみるのである。
徳治は家大工を業とし、祖母は留守をしながら百姓をやってい…
2014年04月10日 11:46
コメント件数 : 0
ザクゾレの沢
狄(えびす)川の奥にザクゾレの沢というのがある。昔、ここでバクチ打ちが殺されたところだと伝えられている。付近に家はないが、昔の墓が草むらの中に残っている。この沢に行くと、何か金物を洗うような物音がする。バクチ打ちの霊が、いまだにさまよっているからだといわれている。中村の佐々木要太も一度ここに足を踏み入れたことがあるが、…
2014年02月18日 16:18
コメント件数 : 0
月夜に兎と遊んだ人の話
石鳩岡にKさんと云う人がおった。月のきれいな夜、皆んなが寝静まってからきまっているかの様にいつも白兎がKさんのへやに現れた。Kさんは兎と一緒に追いつ追われつ顔をすり合わせころげまわって一晩中楽しく遊んだ。しかし、月がうすれると兎も消える様にいなくなった。それが月夜の晩、三日も続けて遊んだ時など、夜が明けるとまったく疲…
2014年06月09日 17:03
コメント件数 : 0
- 1